「近赤外高分散分光で狙う低質量星周りのハビタブルな地球型惑星」

3月4日(水)@ 国立天文台三鷹キャンバス


我々は、惑星探索専用のKepler衛星の成果が出始めてから、ハビタブルゾーンの地球型惑星について迫れるようになってきている。また、今後はKeplerの第2期観測K2や次期惑星探索衛星TESSなどにより、衛星を用いた地球型惑星探索が大規模に行われる予定である。一方で、トランジット法で惑星探しを行うだけでは限られた条件でしか惑星の質量を正確に決定することができず、地球型惑星の研究には情報が足りないのが実情である。また、Keplerの第1期観測によって地球型惑星が発見された恒星は、太陽系から遠く暗いために十分な詳細観測ができないという欠点があった。そのため、近年、太陽近傍の恒星周りに地球型惑星を発見し質量を決定することを目的に、ドップラー法を用いたハビタブルゾーンに位置する地球型惑星の探索が世界中で計画されており、惑星探索に特化した観測装置の開発が進められている。2015年のファーストライトを目標に開発を進めている、すばる望遠鏡用系外惑星探索装置IRD(InfraRed Doppler instrument)もその一つである。IRDは、すばる望遠鏡に取り付けることを念頭に製作されている近赤外高分散分光器(R=70,000、Y,J&Hバンド)であり、すばる望遠鏡の戦略枠によってこれまでにない観測を実現し、低質量星周りのハビタブルゾーンにある地球型惑星を発見することを目指している。本ワークショップは、IRDプロジェクトの現状をまとめ、系外惑星探索装置IRDによる系外惑星サーベイだけでなく同装置で今後可能となる系外惑星関連以外のサイエンスも議論する場にしたい。


日 時:平成27年3月4日(水) 受付 8:30~ 講演 9:00~17:00 懇親会 18:00~@武蔵境

会 場:国立天文台三鷹キャンバス 中央棟講義室

世話人:大宮正士、押野翔一、小久保英一郎(国立天文台)、佐藤文衛(東京工業大学)、泉浦秀行、田村元秀(国立天文台)

連絡先:omiya.masashi[ATM]nao.ac.jp            ※[ATM]を@に変更ください。


プログラム

時間 タイトル 講演者(所属)

08:30-09:00 (0:30) 受付開始
09:00-09:10 (0:10) Opening remarks(IRDプロジェクト概要) 佐藤文衛 (東京工業大学)
09:10-09:40 (0:30) M型矮星周りの惑星系 堀安範* (UCSC)
09:40-10:10 (0:30) IRD装置開発の現状 小谷隆行 (国立天文台)
10:10-10:40 (0:30) IRDによる地球型惑星探索の戦略とサンプル 大宮正士 (国立天文台)

10:40-11:00 (0:20) 休憩

11:00-11:20 (0:20) 同時比較法によるRV測定とIRDでの達成精度 平野照幸 (東京工業大学)
11:20-11:40 (0:20) 高分散分光による惑星キャラクタリゼーション 河原創 (東京大学)
11:40-12:00 (0:20) IRDによる若い恒星を公転する惑星の探査と褐色矮星の研究 葛原昌幸* (東京工業大学)

12:00-13:00 (1:00) 昼食

13:00-13:30 (0:30) 近接地球型惑星系形成の物理 小久保英一郎 (国立天文台)
13:30-13:50 (0:20) 中心星近傍での惑星形成のN体シミュレーション:初期ランダム速度依存性 松本侑士 (国立天文台)
13:50-14:10 (0:20) Stellar Metallicty & Close-in Super-Earths: the Effect of their Orbital Distribution 長谷川靖紘 (国立天文台)
14:10-14:40 (0:30) M型矮星周りの地球型惑星のハビタビリティ 小玉貴則 (東京大学)

14:40-15:00 (0:20) 休憩

15:00-15:20 (0:20) IRDによるM型矮星研究 青木和光* (国立天文台)
15:20-15:35 (0:15) M型矮星の有効温度とInfrared flux method 中島紀 (国立天文台)
15:35-16:00 (0:25) IRDのトランジットフォローアップと衛星観測とのシナジー 成田憲保* (国立天文台)
16:00-17:00 (1:00) 議論&Closing remarks
*リモート接続での講演


ポスター講演

月食を用いた地球大気透過光の高分散分光観測 川内 紀代恵 (東京工業大学)
新しい透過型高分散回折格子およびImmersion gratingの開発状況 海老塚昇 (理化学研究所)
IRD用スクランブラー開発 馬場はるか (総合研究大学院大学)
IRD用レーザー周波数コム 柏木謙 (東京農工大学)

Last update: January 10, 2017